原水爆禁止の署名を始めた区民の思いを今に受け継ごう


杉並区平和都市宣言(昭和六十三年三月三十日 議決)

世界の恒久平和は、人類共通の願いである。
いま、私たちの手にある平和ゆえの幸せを永遠に希求し 、 次の世代に伝えよう。
ここに杉並区は、核兵器のなくなることを願い、平和都市を宣言する。

昭和六十三年三月三十日 杉並区


区のホームページにはこう書かれています。
《昭和29年、操業中のマグロ漁船「第五福竜丸」がアメリカの水爆実験による“死の灰”を浴びたことから、核兵器の廃絶へ向けて気運が高まりました。杉並区内では、話し合いや署名運動が散発的に始められましたが、公民館を拠点にあらゆる層の団体や個人が参加して「水爆禁止署名運動杉並協議会」が結成されました。署名は、当時人口が40万人弱の杉並区で2カ月足らずの間に27万人余りの署名が集められました。署名運動は、近隣地域、そして全国に広がり、翌年には、第1回原水爆禁止世界大会が開催されるに至りました。今日も世界の恒久平和と核兵器の廃絶を願う心は脈々と引き継がれています。》

昨年7月、核兵器禁止条約が制定され、その成立に尽力したICANにノーベル平和賞が授与されました。杉並区も参加している平和首長会議もICANの構成団体の一つです。こうして核のない世界への新たな一歩が踏み出されたのです。その一方で世界では新たな核軍拡競争が始まる可能性がでています。このようなときに杉並区平和都市宣言30周年を迎えます。原水爆禁止署名運動に携わった方々も区内にいらっしゃいます。そして今も毎年、光友会による原爆展や杉並女性団体連合会による平和映画祭を始め区内の様々なNPOや市民たちによる平和を考える取り組みが行われています。

「杉並には全国へ、世界へと、原水爆禁止の声を発信した歴史が、今も息づいている」のです。(杉並の市民活動と社会教育を記録する会・代表の林美紀子さんの文章より。すぎなみ学倶楽部HP参照)

64年前に杉並で始まった署名運動の歴史を区民に、さらに次代を担う子どもたちに伝えることこそ、平和都市宣言30周年にふさわしい取り組みではないでしょうか。そこで昨年夏以降、何度か有志の話し合いを持ち、その中で、杉並の署名運動を描いた丸木位里・俊による大作、原爆の図 第10部『署名』の展示を中心に、郷土資料館で保存されている署名運動の資料の展示や、当時を知る人々の証言を聞く会、講演会、演劇、合唱、平和の絵画展示など様々なアイデアが出されています。

よびかけ  永田浩三  斉藤正明  鳥生千恵  渡邉由紀子
賛同団体  杉並女性団体連絡会  杉並光友会  杉並から平和の輪をつなぐ会準備会