今年は、杉並区平和都市宣言30周年の記念すべき年です。また杉並は、世界に誇るべき原水禁運動の発祥の地です。64年前、第五福竜丸の被曝と放射能汚染マグロの廃棄に直面し、杉並の魚屋さんの呼びかけで始まった原水爆禁止の署名運動は全国に広がりました。その署名に参加した人々の決意と願いを丸木位里・俊は『原爆の図 第10部 署名』(1955年、1.8m×7.2m)に描いています。この作品は日本をはじめ世界各地で巡回されましたが、これまで杉並区内では展示されたことがありません。
昨年、準備会を立ち上げ、区と相談する中で3月4日(月)~9日(土)の日程で、梅里にあるセシオン杉並展示室で展示する可能性が見えてきました。現時点での企画内容は下記になります。
- 『署名』とその契機となったビキニ水爆被爆を描いた『焼津』、杉並区立郷土博物館や都立第五福竜丸展示館で保存/展示している当時の署名簿やパネルなど諸資料の展示
- 被爆者の聞き取りをもとに、広島県立基町高校の生徒が描いた油絵、杉並の子どもたちが描いた平和の絵などの展示
本企画を、多くの区民の皆様で実現するために、7月22日に実行委員会を結成する集まりを持つことにいたしました。みなさまと一緒に、杉並区平和都市宣言30周年にふさわしいイベントを作っていきたいと考えています。
平和ゆえの幸せを永遠に希求し、核兵器のなくなることを願う個人、団体の皆様のふるってのご参加をお待ちしております。
日 時: 2018年7月22日(日) 13:30〜16:30
自己紹介、企画説明と実行委員会協議など
会 場: ウェルファーム杉並 第4集会室
杉並区天沼3丁目19番16号
ウェルファーム杉並4階
※参加費は無料 ですが、300円程度の会場費含む
当日運営のカンパをお寄せいただけると幸いです。
呼びかけ: 斉藤正明 鳥生千恵 永田浩三 渡邉由紀子
賛同団体: 杉並女性団体連絡会 杉並光友会
杉並から平和の輪をつなぐ準備会 (区民有志十数名)
お問合せ: ☎ 070-6977-2247 (斎藤正明)
杉並区高円寺北3-12-1(さいとう電気サービス)
Eメール suginami.peace@gmail.com
杉並区平和都市宣言(昭和六十三年三月三十日 議決)
世界の恒久平和は、人類共通の願いである。
いま、私たちの手にある平和ゆえの幸せを永遠に希求し、次の世代に伝えよう。
ここに杉並区は、核兵器のなくなることを願い、平和都市を宣言する。
昭和六十三年三月三十日 杉並区
1988年、杉並区は区民の総意として平和都市宣言を制定しました。区のホームページには次のように書かれています。
昭和29年、操業中のマグロ漁船「第五福竜丸」がアメリカの水爆実験による“死の灰”を浴びたことから、核兵器の廃絶へ向けて気運が高まりました。杉並区内では、話し合いや署名運動が散発的に始められましたが、公民館を拠点にあらゆる層の団体や個人が参加して「水爆禁止署名運動杉並協議会」が結成されました。署名は、当時人口が40万人弱の杉並区で2カ月足らずの間に27万人余りの署名が集められました。署名運動は、近隣地域、そして全国に広がり、翌年には、第1回原水爆禁止世界大会が開催されるに至りました。
今日も、世界の恒久平和と核兵器の廃絶を願う心は脈々と引き継がれています。区では、昭和63年に区議会の議決を経て「杉並区平和都市宣言」を行いました。
署名運動の中で声を上げ始めた被爆者の方々は、その後も世界各地で粘り強く訴え、ついに国際赤十字や世界の人々を動かして、昨年国連で核兵器禁止条約が制定され、今年、その活動に尽力したICANと被爆者にノーベル平和賞が授与されました。ICANの構成団体の一つ「平和首長会議」には杉並区も加わっています。現在、核兵器禁止条約の発効を目指して、被爆者の方々が核兵器廃絶を訴える国際署名運動を展開しています。
原爆やめよ、
水爆やめよ、
戦争やめよ。
東京杉並のお母さんたちの呼び声は日本中にひろがりました。
こどもも、お母さんもお父さんも年よりも、ありとあらゆる職場の人が署名しました。
民衆の声なき声が声となり、このように平和を求めるたくさんの署名が集まったのは、はじめてのことでした。
丸木俊による 『署名』 解説文